2015年12月30日水曜日

明日は来ない/Tomorrow Never Comes



明日は来ない/Tomorrow Never Comes

Ernes Tubb アーネス・タプJohnny Bond ジヨニ・ポンドのコンビで作られた古い曲を、エルヴィス・プレスリーがアルバム『エルヴィス・カントリー』でカヴァーした。


Oh you tell me that you love me
Yes you tell me that you care
That tomorrow we'll be married, oh
But tomorrow's never there

Oh tomorrow never, never comes
Oh tomorrow never comes
Now you tell me that you love me, oh
But tomorrow never comes

Many weeks now have I waited
Oh many long nights have I cried
But just to see that happy morning, happy morning
When I have you right by my side

But tomorrow will never come, oh no, no
Tomorrow never gonna come
Now you tell me that you love me
But tomorrow never, never comes
So tomorrow I'll be leaving
Yes tomorrow I'll be gone
But tomorrow you'll be weeping, oh
But tomorrow will never, never come

Well tomorrow will never, never come
Oh no, tomorrow ain't never gonna come
Yeah, yeah, you tell me, you tell me
That you love me, but tomorrow never comes


新しい年はやってくるのに、
願いは叶わない、見込みもないとしたら、痛い。

ここでは断じて明日は来ないとエルヴィスは歌う。それでも希望が匂う。
歌詞と曲調に乖離があるので、とっても難しい歌です。

アメリカンポップスには、歌詞のイントネーションで歌詞と違う意味を伝えようとする場合が少なくない。

ここでは君が言うような明日は来ないが、しかし自分の力で来させて見せると言っているように聞こえる。エルヴィスのイノセンスが光る歌だ。

来ないのは決めないからだ。決断しないからだ。
明日は来ない/Tomorrow Never Comesでのエルヴィスの歌声は毅然として美しい。




以下は、『ワークス・オブ・エルヴィス』から引用。

1936年にレコーデイングをスタートさせたアーネスト・タブは、40年代から50年代にかけて<Soldire’s Last Letter> 、< It 's Been So I Long Darling>ほか多数のヒを放ち、レッド・フォーリーとともにデッカ・カトリーを築き上げた(ふたりのデュオでもト作がある。

もちろん60年代から70年代にかけても着実な活動をロレツタ・リン、ウィリー・ネルソン、マール・ハガード、チャールズ・ダニエルズなどと共演。このナンバーはそのアネスト・ダブの歌4 5年にカトリー・チートの5 位を説草。その後66年にB. J. トーマス(HOT100) 71年にスリム・ホイットマン(カントリー)でリパイパルしている。

エルヴイスらしいしかりとしたアレンジカントリーを基本にしたポピュラー・ソンとして完成されている。
70年10月にコーラス/・インペリアル・クワルテのオバー・ダブ。

O

2015年12月16日水曜日

ウォーク・ア・マイル・イン・マイ・シューズ / WALK A MILE IN MY SHOES



ウォーク・ア・マイル・イン・マイ・シューズ
WALK A MILE IN MY SHOES

自分を正しく理解するためには、意識的、無意識的に関わらず外に露出した具体的な自分の行動を理解することが必要です。客観的に、行動を把握して、はっきりと評価ができるような形で、図式化、すなわちエゴグラムを作成して冷静に分析することが重要です。



三つの心の内、P(親の心)とC(子どもの心)は、それぞれ、厳格な父親の心と保護的な母親の心、自由な子どもの心と従順な子どもの心に分かれますので、5つの心があることになります。

これら5つに分類した設問のなかに、合理的な質問が多く並んでいる「大人の心」があります。そのなかに、「空に浮かぶ雲を見てなにか連想しますか?」というのがあります。

「気楽だな」とか「ロマンチックなことだな」と思う方もいると思います。

そういうふうに捉える方は、内観が浅い方だと思います。「一を聞いて十を知る」という諺があります。物事の一端を聞いただけで全体を理解するという意味で、非常に賢く理解力があることのたとえとして使われてきた言葉です。

会話をしていて、ものすごく底の浅い方に出会うことがあります。人それぞれだから、私がいちいち文句をいう筋合いのものではありませんが、その種の方に「自分おの生き方」にゴチャゴチャ言われると心外です。

自分がリスペクトしているわけでもないので、なにを言われてもどうでもいいのですが、宝物のように大事にしている想いについて言及されると、流石に良い気分になることはありません。

姿カタチは同じ人間の体裁をしていますが、まったく別の生き物のように思うことがあって、そんなとき、ものすごく悲しい気分になります。特にその方の善意や自分への愛情があって言われると、救いがなく傷つくのです。




エルヴィス・プレスリーの歌に「ウォーク・ア・マイル・イン・マイ・シューズ(WALK A MILE IN MY SHOES)」というのがあります。

この曲はまさしくそういった心境を歌ったものです。




コミュニケーションとは、「事の本質を知る」こと、つまり「理解する」ことから始まります。内観も外観もなく、自分の価値観だけで、しかもそれでいて自分は善良だと思い込んでいて、コミュニケーションするとは、暴力に近いのです。




その人の靴をはいてみないと分からないことがある。つまりどんな生き方を強いられたのか、その人しか分からないのです。その人の靴をはいて考えることが愛であり、それを履く理由があれば、脱ぐ理由もあるのです。
男女の愛は、その延長にあります。

だからこそ、その価値観や生き方が他人に理解されなくても、二人が理解しあっていればいいのです。その価値観に自信をもち、二人で目標に挑み、愛を育むことが大切なのだ。間違っても内観することもなく氾濫する広告に踊らされるような価値観に身売りしてはいけない。

君にだけは、歩きやすい靴を見つけてあげたいのです。











2015年10月17日土曜日

Elvis Presley - I really don't want to know

知りたくないの I Really Don’t Want to Know


知りたくないの 
I Really Don’t Want to Know


最初に言っておきましょう。YESが切ないエルヴィスの「知りたくないの」は格別です。

カントリーはいつの時代もアメリカ・ポップシーンの中心にあり、現在のそれを支えているのは人気、実力ともに最高のGarth BrooksやGeorge Strait、美貌の歌姫Shania Twainなどのビッグ・アーティストたち。

チャンピオンGarth Brooksの観客と一体になったコンサートは見事。ビリー・ジョエルなどもゲスト参加し、創造的なサウンドを披露していて、カントリーは進化し続けている。そのニューカントリーの原型とも言えるのが、アルバム『エルヴィス・カントリー



 

 70年代、ロック・ティストのカントリーのことを『レッド・ネック・カントリー』と呼んでいた時期がある。エルヴィスは多くのカントリーを歌っているが、何を歌ってもエルヴィス・ティストにしてしまう。まさしく『エルヴィス・カントリー』なのだ。したがってアメリカ人の感覚には彼がカントリーを歌っているという意識は薄いように思われる。何をやってもエルヴィスはエルヴィス、彼のサウンドなのだ。さてこのアルバムは歌にカムバックしたエルヴィスがノリに乗ってる感じが伝わる快作!


2歳のかわいいエルヴィスが収まったジャケットは、ナッシュビルで録音された。尻尾の先まで餡がつまったようなアルバム。う~~~ん。なるほどノン・ストップ、曲間にまで一曲を切り刻んで詰め込んだ贅沢さなのだ!

そもそもカントリーはマッチョな連中が好んで聴いているカテゴリー。NBC-TV SPECIALでステージにカムバックする直前にシングル・リリースされたカントリー・ロック<U.S.MAIL>のイントロ部分のナレーションにもあるように「オレはミシシッピーが合衆国になった日に生まれた。だからアメリカの男だ」というような調子こそが、カントリーの基調。Garth Brooksも同じように「アメリカ男」を強調している。つまりアメリカ人がアメリカ人であるために欠かせないのだ?!

そういうこともあってか、ここでは甘さ控え目、ビターなエルヴィスがいろんなバリエーションで堪能できる。決して単調にカントリー・ティストにまとめているわけではなく、曲ごとに様々な変化を出していて見事!!お見事!エルヴィス万才!やっぱりキングだ!





その実力は<知りたくないの/I Really Don't Want to Know>で遺憾なく発揮されている。

<知りたくないの/I Really Don't Want to Know>は、1954年に発表されたエディ・アーノルドのオリジナル、1965年にはぺりー・コモも取り上げ、エルヴィスの後には1991年にレス・ポールがカヴァーしている。なかにし礼氏のオリジナル訳詞を菅原洋一氏のカヴァーで日本でも大ヒットしたC&W で、どこのカラオケにもあるが、同じ曲とは思えないほど男臭さに満ちた熱唱をには胸の奥がジーンと熱くなる。シングル・リリースされている。


いくつの腕が君を抱き
君を引きとめようとしたことか
いくつの、一体いくつの...
けれど、そんなこと知りたくはない

いくつの唇が君に接吻をし
君の心を燃え上がらせたことだろう
いくつの、一体いくつの...
けれど、そんなこと知りたくはない

こんなことに、いつも心痛め悩ませる
いつも想像をしているけど
僕が尋ねたとしても
愛しい人よ、どうか答えないで

ただ君だけの秘密にしておいてくれ
それほど君を愛しているのだから
どうしてなのか、不思議ではない
けれど、そんなこと知りたくはない


エルヴィスはオリジナルの歌詞に引き裂かれたアンビヴァレンスな情念<両価感情>をぶつけます。

まず、いきなりOh,howにやられます。


ワンコーラス目はしっとりと、

されど、キスする姿を想像する狂おしさが、歌詞にないアドリブのYESが切なく、

荒々しさの中にラストコーラス
 No Wonder year no wonder
では、心に落ちる大粒の涙が・・・

うなだれて、立ち上がる男の背中を女はどう見るのでしょうか。


How many arms have held you
And hated to let you go?
How many, how many, I wonder
But I really don’t want to know

How many lips have kissed you
And set your soul aglow?
How many, oh how many, I wonder
But I really don’t want to know

Always make me wonder
Always make me guess
And even if I ask you
Darling don't confess

Just let it remain your secret
'Cause darling I love you so
No wonder, no no wonder, I wonder
But I really don’t want to know